tamayura*珠響

6月のかな書道

移りゆく紫陽花が雨上がりに美しくて、おもわず立ち止まって
見入ってしまいますね。
雨の中 お稽古にいらして下さることに感謝しながら
今月はこんな和歌や俳句をご用意いたしました。

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今月の和歌は

めぐり逢いて  見しや  
    それとも別ぬ間に
  雲かくれにし  夜半の月かな
           (紫 式部)


   新古今集1499、百人一首57

歌意は
 久しぶりにめぐりあって、その人かどうか
 見分けがつかないうちに、雲間に隠れて
 しまった夜半の月のように、あの人は
 あわただしく姿を隠してしまった事です。

以前に大字作品を書いたことがありますが
紫式部のイメージから、男女のせつない愛の歌だと思っていました(^^)

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今月の俳句は

   鳴くならば 満月に鳴け
        ほととぎす
       
       (夏目漱石)


先月の和歌もほととぎすでしたが、
‘ほととぎす’は夏の到来を告げる鳥と
されています。
雨がちな梅雨の時期に満月を想う気持ちも
表れてぴったりかと思い選びました。

満月を渇筆で表現し作品の中心的イメージに
仕上げることが大事です。

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今月の小色紙は

  枝ぶりの 日ごとに変わる
         芙蓉かな

        (松尾 芭蕉)


小色紙には、これから美しく咲く芙蓉の句を
選びました。芙蓉は朝顔のように朝咲いて
夕方にはしぼんでしまう一日花です。
一日花には、命が短いだけに独特の美しさが
あります。どうぞ立ち止まって美しさを
ながめてあげてくださいね。

構成は珍しく5行の構成ですので、行頭行脚の
処理に気をつけなくてはなりません。

来月のかな書道は、ホームページから変更になっておりますのでご注意くださいませ。
今後の予定は以下の通りです

   7月6日(火)1st.のみ 8日(木) 16日(金) 21日(水) 27日(火)1st.のみ

   8月4日(水) 5日(木) 18日(水)  26日(木) 27日(金)


by tamayura-okeiko | 2010-06-18 10:00 | かな書道
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