爽やかな風が少しずつ夏を運んでくるようになりましたね。
5月のかな書道ではそんな初夏の和歌や俳句を選んで色紙に書いて頂きました。

今月の俳句は
五月雨の 降りのこしてや
光堂 (松尾芭蕉)
漢字の多い作品ですが、真ん中のひらがなを
のびやかにゆったり書くことで全体の調和を
図っています。
五月雨とは旧暦ですので梅雨をさしますが、
五月という軽やかな響きが美しいのでこの
句を選びました。
芭蕉が「奥の細道」で平泉を訪れた時に
詠んだ句です。
今月の和歌は百人一首から
ほととぎす 鳴きつる方を
ながむれば
ただ有明の 月ぞ残れる
(藤原 実足)
ホトトギスは夏の到来を告げる鳥とされ
その初音を聴くために夜通し貴族たちは
夜明け(有明)を待ったということです。
優雅ですね。
形式はもっとも一般的な行書き
歌意は、「ほととぎすが鳴いた方を眺めてみると
そこには ただ有明の月が残っているだけだ」です。
今月の小色紙は
薄色の 牡丹 久しく
たもちけり (正岡子規)
これから見事な姿で咲き始める
牡丹を想って、この句を選びました。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花
です(^^)
牡丹はお花の女王様みたいですね。
是非見逃さないようにしてくださいね。