tamayura*珠響

3月のかな書道

みなさまどのようにお過ごしでしょうか?
西に移動したり海外に出かけられた方もいらっしゃるようですね。
連日の報道に哀しい思いになるばかりなので、スイッチを切っては
筆を持つようにしています。
作品を書いている時間は<無>になれるので、とてもいいものです。
でもこうして筆を持てること自体幸せなのですね。
被災地には雪も降り始めたようですね・・・
ただただ祈る思いです。

今月の今週のかな書道は中止となりましたが、以下の作品を用意しました。
書いてみたい方がいらっしゃればお送りしますのでご連絡くださいませ055.gif
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今月の俳句は

静かさや  花なき庭の
     春の雨
       (高浜 虚子)


まだ花の咲かない早春の庭に
しとしとと静かに降る雨の光景を
詠んだ句です。美しい句ですね。

俳句は3行の構成が多いのですが
今回は4行になっています。
3行目を前の行に寄り添わせ
1行のように見せることが大事です。
4行目も1文字で行の流れを見せる
ようにします。



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1年を過ぎた方には百人一首を書いて
頂いています。

春の夜の夢ばかりなる
   たまくらに かいなくたたむ
    名こそ惜しけれ
        (周防内侍)

歌意は
短い春の夜の夢ほどのはかない
たわむれの手枕のために、何の
かいもない浮名が立ったとしたら
何とも口惜しいことです。

構成はもっとも基本の構成です。




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和歌2年目の方の百人一首は

契りきな かたみに袖を
   しぼりつつ 末の松山
     波越さじとは
       (清原 元輔)


歌意は
約束したことだったよ
互いに涙に濡らした袖をしぼっては
末の松山を波が越さないように
二人の心が変わらないということだ

美しい恋愛の歌ですね。
こちらの構成も上は山型、下は鍋底型の
基本構成です。


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全員の方に書いて頂く俳句は小色紙に
書いて頂いています。

菜の花や 霞の裾に
       少しずつ
      (小林 一茶)


教科書にも載っていた有名な句ですね。
松本に住んでいた頃には、本当にこの句
通りの光景を目にし感激したものです。

この色紙をお雛様の横に飾ってくださった
方もいらっしゃいました。素敵ですね。






来月は6日(水)7日(木)20日(水)25日(月)26日(火)です。

by tamayura-okeiko | 2011-03-17 10:00 | かな書道
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